変形性膝関節症の状態と治療について

中高年期以降の膝の疾患で最も多いのが、変形性膝関節症です。変形性膝関節症とは加齢や肥満などが原因となり膝関節の軟骨が痛みすり減ることで起こります。

治療として、軽度であれば手術を行わない保存療法、関節鏡手術、軽中度であれば高位脛骨骨切り術(HTO)、重度であれば人工関節置換術が行われます。

診断方法について

問診や診察、特に触診で膝関節内側の圧痛、動きの制限、腫れ、変形、関節の不安定性などを調べX線(レントゲン)撮影をして診断します。必要によりMRIなどの検査もします。

治療について

1)保存治療

        •  ヒアルロン酸注入

        •  内服(消炎鎮痛薬)

        •  大腿四頭筋強化訓練

保存治療で効果がある場合    〇そのまま継続し年1回のレントゲン撮影

保存治療で効果がない場合 下記 2)・ 3)へ

2) 軟骨がある場合

骨切り術を検討する

〇骨切り術

骨切り術とは、軟骨のすり減りや変形が膝関節の内側だけ、もしくは外側だけに限られている場合に適応となります。骨切り術にはいくつか種類があり、これまで一般的に行われてきたのは「 高位脛骨骨切り術(HTO) 」といって、脛骨(すねの骨)の上を切って角度を調整する方法でした。

ですが、当院ではより患者様の状態に合わせた骨切り術を行っており、脛骨と大腿骨(太ももの骨)の両方の骨切りを同時に行い、できる限り正常な状態へと改善する「 ダブルレベルオステオトミー (DLO) 」、膝蓋骨の位置を保つことで術後の軟骨損傷の発症リスクを減らす内側開大式脛骨祖面下骨切り術(DTO)という新しい骨切り術方式をとっています。

これまで、人工膝関節しか選択肢がなかった人が骨切り術を行うことで、自分の膝を残すことが可能になります。

手術前とダブルレベルオステオトミー(DLO)骨切り術後のレントゲン

 

 

※オリンパステルモバイオマテリアル(株)運営サイトへ

3) 軟骨がない場合

人工膝関節置換術を検討する

〇人工膝関節置換術(TKA)

人工膝関節置換術(TKA)とは、軟骨や骨が傷んで変形した膝関節の表面を取り除いて、人工関節に置き換える手術です。
TKAの対象となる患者様は、関節内の広い範囲にわたって軟骨が傷んでいる状態に加えて膝の中心部にある十字靱帯も傷んでいる方にも行なえます。
O脚やX脚のひどい方もまっすぐに治すことができます。また大きい頑丈な部品で膝を支えるので耐久年数も優れています。

メリット

 ・入院期間が短い

 ・手術翌日から立って歩くことができる

 ・手術翌日からリハビリを開始できる

人工膝関節置換術の流れ

入院から手術、退院までについてはこちらから

まだ行かせる軟骨が残っているのにそれを使わないなんて「 モッタイナイ 」ですよね。当院では膝関節の軟骨が残っている患者様には人工関節ではなく骨切り術を勧めています。コンセプトは「 歯を残すのと同じく、自分の関節を残す 」ことです。

こんな症状がある方はご相談下さい。

  • 歩くたびにひざに痛みがある

  • ひざが痛くて遠出が出来なくなった

  • 他の病院で変形性膝関節症と診断された

  • ひざに溜まった水を抜いても変わらない

※ その他気になる症状がある方はお気軽にご相談下さい。

PAGE TOP